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ヴィンテージマンションの価値とは?

 ■ヴィンテージマンションの意味

ヴィンテージマンションという広告キャッチコピーがあります。

主に資産価値の観点から、経年によって価値を増す優良なマンションを指し示す用語として誕生したようです。

しかし不動産広告を見てみると、築年数が古い(主に旧耐震)マンションを全面リノベーションした物件を指すケースも多くみられ、大がかりなリノベーションを行った物件を良く見せるための広告文句として使われることもあり、注意が必要です。

 

ヴィンテージという言葉を調べてみるとwikipedeiaで下記のような説明がありました。

「当たり年のワインの事を「ヴィンテージ・ワイン」と呼ばれ、高級ワインの代名詞である。

転じて、名品や、年代物の楽器・オーディオ製品・カメラ・衣料品・自動車などの古い希少品の意味に用いられている。

英語圏には「ヴィンテージ」のつく商標や商品が多数あり、年代物の名品風の意匠や古い設計を採用する、古い感じの動作を再現するといった方向性として使われる。」

 

古くて良いものという意図でヴィンテージマンションというキャッチコピーが使われているようです。

本来は経年で劣化しない立地や資産価値を維持する十分な修繕・管理体制などを指し示す用語だったのが、古いマンションでもリフォームで綺麗な内装です、というような意図で使われているケースが多いので今回の記事を書かせていただきました。

 

■不動産は「ハコ」と「内装」を分けて考える

打ちっぱなしコンクリート仕上げの内装、カフェのようなレトロな雰囲気など、大規模リノベーション物件はデザイン性を全面にPRされることが多いです。

物件のデザイン的な要素は「内装」のもので、マンションの場合、建物そのものが新しくても古くても、専有部分はある程度リフォームできるので、お金をかければどのようなデザインも実現できます。

 

※凝った内装デザインが資産価値に及ぼす影響については別の記事で触れますが、売りやすいデザインとは普遍的なデザインなので、凝ったデザインにしてしまうと、そのデザインに共感する人にしかメリットを感じてもらえなくなります。

 

不動産の価値は「ハコ」にあります。

建物の立地、管理状況、性能など、優良なハコとしてのスペックがそのマンションの価値です。

また、専有部分の形や広さなど、区分所有者の一存で変えられない部分も「ハコ」の要素となります。

例えば旧耐震のマンションは性能に劣るので、本来はヴィンテージマンションとは言えないのです。

 

■大規模リノベーションの広告文句

ひと昔前に流行った広告文句で「デザイナーズマンション」という言葉があります。

著名な建築家による凝ったデザインのマンションではなく、実際の営業現場では、オシャレな内装や変わった形の間取りの物件のPRとして利用されていました。

ヴィンテージもデザイナーズも共通の問題として、高い工事費(内装・デザイン費)を誤魔化すための意味合いが強いという点があります。

 

一例を挙げると、全面リノベーション物件です。

先にあげたレトロなカフェ風のデザインを実現しようとすると、通常のリフォームよりもリフォーム費用がかかります。

また、一般的な仕様と異なる場合、一般の方では比較検討が容易でないので、リフォーム費用が不透明になってしまいます。

事業者による買取再販物件は、安く仕入れて高く売るのが原則です。

 

従って、旧耐震物件などを安く仕入れて、価格を不透明にするためにデザイン性を重視し、実際は安く工事を済ませるという考え方です。

と言っても安普請のリフォームを高く見せるのは困難なので、旧耐震物件を全面リフォームして、旧耐震物件をそこそこの値段で売りつつ、リフォームでも収益を上げようというのが一般的のようです。

 

ここで重要なのは、リフォームの品質はそれほど悪くないという点です。

そこそこお金をかけているので当然ですね。

何が問題かというと、物件の「ハコ」としての価値がリフォームで誤魔化されているという点です。

 

違った例で言うと、個人間売買で全面リノベーションを売りにしている事業者の場合、リフォームを高額にすることが目的になるので、必要なリフォーム予算を確保するために物件価格の安い旧耐震物件などを積極的に勧めたりするケースがあります。

 

例えば3000万円の予算だとします。

リフォームなしで住むことができる3000万円のマンションと、物件価格1500万円+リフォーム1500万円の物件とでは、どちらが資産価値が高いでしょうか?

実際には細かな条件が影響するのですが、間違いなく言えるのはリフォームに費やした1500万円はほとんど評価されないという点です。

つまり後者の場合、1500万円の物件を3000万円で買ったことになるのです。

 

■中古マンションは「ハコ」と「内装」を分けて検討する

実際に物件探しを始めると、リフォーム済みの物件もたくさんあるので、物件価格がわかりにくくなっています。

また、中古物件なので、リフォームしていない物件の場合、居住にあたってリフォームで修繕しなければならないものも多いです。

中古マンションを検討するにあたって重要なのは「ハコ」と「内装(リフォーム)」の費用を意識することです。

 

特にリフォーム済みやリノベーションと表記された物件については、どれくらいリフォーム費用がかかっているのかを意識することが大切です。

当然ながらデザイン性を重視したリフォーム物件は、それなりにリフォーム費用がかかっています。

ヴィンテージという言葉には「安い」という概念がないので、古いけれども程度が良くてお買い得物件というのはヴィンテージでも何でもないのです。

 

■内装に凝るという贅沢

家を買う上で凝った内装を実現したいという希望があると思います。

新築と違ってリフォームで思い通りの住空間を実現できるのは中古購入のメリットの一つです。

レトロなカフェのような内装も、不要な人は「落ち着かない」「家じゃない」という意見を出したりしますが、それを求める人にとっては満足できる自慢の住空間です。

 

「内装」はそこに住む人の趣味趣向で自由にするのが良いと思います。

ただ、「内装」にかけた費用は消費してしまう、という点を間違えてはいけません。

内装に凝るのは贅沢な選択なのです。

 

ですから、贅沢すると決めた予算範囲で想い通りに空間を演出すればよいと思います。

ただ、一般的なものはそれなりに価格が適正化されますが、イレギュラーなものは高くつくのが世の常なので、尖ったデザインを実現しようとすると、そこそこまとまったお金が必要になることにご注意ください。

 

もう一点。

内装を重視するあまり、「ハコ」の値段を下げるというのは本末転倒です。

ですので、ヴィンテージと言えなくても「ハコ」として成立する最低限の要件を満たした物件を選択する必要があります。

別の言い方で、このエリアの物件を買うには旧耐震物件くらいしか手が出ないという例があります。

 

この場合は、エリアを再検討するべきで、無理して旧耐震物件を買ってはいけないのです。

ヴィンテージマンションのヴィンテージは「ハコ」の要素が強いです。

言葉の雰囲気に躍らされないで、物件の価値を正しく把握するようにしたいものです。

 

■ヴィンテージマンションを見極める方法

ヴィンテージマンションの見極めは簡単です。

ヴィンテージマンションと表現している物件を検討する場合、どういった理由でヴィンテージなのかを業者に確認するだけです。

本当のヴィンテージマンションの場合は、「ハコ」の価値を語ってくれます。

 

「内装」の説明しかないヴィンテージマンションは外れです。

ほとんどの場合は特に意味なく使っていると思われます。

今回の記事のタイトルは「ヴィンテージマンション(笑)」にしようと思っていました。

それくらい、単なるキャッチコピーとしてしか使っていないケースが多いです。

 

以上リニュアル仲介ネットワークでした。


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